『あなたも殺人犯になれる!』赤川次郎(角川文庫 2005.12)

「発見。文庫ポーチ」対策に買った本。あらすじは面白そうだったんですが・・・。買った直後に「赤川次郎99%読了済み」の相方に聞いたところ、ドタバタでぐたぐたの作品だと言われましたが、まさしくその通りでした。はい。
『扉は閉ざされたまま』石持浅海(カッパ・ノベルス 2005.5)

今年の読了一作目は「このミス2006」第2位のこの作品。約200ページ足らずの倒叙ものでちょっと短い気がしましたが、この長さでここまでまとめたのは逆に見事なのかもしれません。また“扉を開けさせない”理由を“そこ”に着地させたのには、あっと驚かされました。
しかし、『水の迷宮』や『BG、あるいは死せるカイニス』を読んだ時にも感じたことなのですが、犯人の動機がいまいち納得できないのですよね。自分の心が荒んでるからかもしれませんが。
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うーむ、なんか月一更新になってますねえ。いかんいかん。
というわけで、溜まっている読了本から。
これを小説と呼んでいいものかどうか。ほとんどが会話文で、たまに地の文だと思えば会計用語の説明なんだもんねえ(笑)。まあ、会計士の仕事紹介を意図として、『TACNEWS』という雑誌に掲載されたものだから、このレベルで十分なのかも。小説のネタ的には結構面白い題材なので、なんだかとっても勿体無い感じなんですけどね。とはいえ、角川で文庫にもなってしまうし、コミック化もされてるってことは、それなりに売れているんでしょうか。著者の講演会とかもやるみたいだし。
『眼球蒐集家 アイボールコレクター』 船越百恵(カッパ・ノベルス 2004.6)
『紅玉の火蜥蜴』秋月涼介(講談社ノベルス 2004.5)
『三億を護れ!』新堂冬樹(徳間書店 2004.4)
『誰もわたしを倒せない』伯方雪日(東京創元社 2004.5)
『ハッとしてトリック!』鯨統一郎(C★NOVELS 2004.4)
『一千万人誘拐計画』西村京太郎(角川文庫 1992.6 25版)
『アクロイド殺し』アガサ・クリスティー(クリスティー文庫 2003.12)
『ゴルフ場殺人事件』アガサ・クリスティー(クリスティー文庫 2004.1)
『華麗なる誘拐』西村京太郎(講談社文庫 1995.3)
ところで、このネタは西村京太郎の別の作品で読んだか聞いたおぼえがありまして、調べてみたところ、やはり十津川警部もので『一千万人誘拐計画』という短編がありました。そちらは短編なので東京都民を誘拐とスケールが小さくなっていましたが(^^;。
『ペルシャ猫の謎』有栖川有栖(講談社ノベルス 1999.5)
『霧舎巧傑作短編集』霧舎巧(講談社ノベルス 2004.4)
『富士山大噴火』鯨統一郎(講談社 2004.3)
『藤田先生のミステリアスな一年』村瀬継弥(東京創元社 1995.9)
『パーフェクト・プラン』柳原慧(宝島社 2004.2)
『ささらさや』加納朋子(幻冬舎 2001.10)
『そして、警官は奔る』日明恩(講談社 2004.2)
『どんどん橋、落ちた』綾辻行人(講談社ノベルス 2001.11)
追記:番組製作のクレジットに綾辻行人の名前があったそうなので、パクリじゃなかったことが判明しました。TBSさんごめんなさい(^^;。
『彼女は存在しない』浦賀和宏(幻冬舎 2001.9)
『こわれもの』浦賀和宏(トクマノベルス 2002.4)
『カリスマ 上』新堂冬樹(トクマノベルス 2003.4)
『カリスマ 下』新堂冬樹(トクマノベルス 2003.4)
文庫はこちら。
『サイコトパス』山田正紀(光文社 2003.12) bk1 amazon

ミステリなのかSFなのか、とにかく不思議な作品です。まあ、いかにも山田正紀らしい作品といえるかもしれません。ということで酩酊感のある作品が好きな人にはオススメ。きっと面白く読むことが出来るでしょう。オールドファンには懐かしい「幻象機械」というキーワードも登場しています。
『ヘビイチゴ・サナトリウム』ほしおさなえ(東京創元社 2003.12) bk1 amazon

創元ミステリ・フロンティアの第2弾。タイトルがいい感じだったので期待して読んだのですが、はっきり言って期待はずれ。まず登場する女子高生のキャラクターの区別がつかない。しかも、ミステリ小説としては致命的とも思われる名前の書き間違え(再版で修正してね)がある。また、作者が使用している言葉への違和感も。例えば、「パソコンの中にホームページのソースが残っていた」とか。この場合、データとかキャッシュとかいうのが普通ではないでしょうか。些細なことなんですが、それがどうも気になってしまいました。なんか総じて「上っ面」という印象を受けて、結局最後まで作品世界に入り込むことが出来なかったんですよね。あと、ラストもイマイチな感じでした。
『平林初之輔探偵小説選2』平林初之輔(論創ミステリ叢書2 2003.11) bk1 amazon

2巻目は前半が小説、後半が評論という構成。この評論を読んでわかったのですが、平林初之輔は、いわゆる「本格ミステリ」よりも「社会派ミステリ」を好むようです。そして、その好みは自作品にも反映されているようで、その当時ではリアルで面白いのだろうけれど、逆に今読むとどうしても古臭く感じてしまうってわけです。1巻を読んで馴染めなかった理由はそれだったんですね。まあ、マニア向けに出版された本なので、興味のある方だけどうぞ。
『亜殺人史の助手日記』手塚信也(新風舎 1996.12) bk1 amazon
現役高校生が書いた密室トリックもの。えーっと、一言。もっとがんばりましょう。
『ファントムの夜明け』浦賀和宏(幻冬舎 2002.11) amazon
サイコメトラーの能力を持つ女性が主人公のノン・シリーズ作品。序盤がミステリで始まり、中盤いきなりホラーに転がりだしたので、おいおい、大丈夫かと思いましたが、一応ミステリ的なオチをつけてくれています。まあ、このオチだったら、短編で十分という気もしましたが。とりあえず安藤シリーズよりは、わかりやすくてよいかも。
『あすなろの詩』鯨統一郎(角川文庫 2003.10) bk1 amazon

伝説の文芸誌『あすなろの詩』を復刊しようと集まった6人の大学生、その完成打上げ合宿で訪れた館で惨劇が始まるのだった。全体の半分以上が文芸誌を復刊するまでのエピソードに費やされ、その後のミステリの部分の伏線になっているかと思いきや、これと言ってなし。えっと、前半部分はなくてもいいんじゃ、とツッコミたくなりましたが、もしかして、これはミステリの部分ではなく、最後のページに対しての大いなる伏線だったんでしょうか。つーか、思わず国会図書館で検索しちゃったもんね(^^;。ということで、鯨作品としてはそこそこ面白かったので、並上ってことで。
『オカルト物語』ジェラルド・カーシュ(大陸書房 1974.4)

何故かオカルト関連の叢書の1冊として出版された短編集、現在は絶版。結構レアな本で以前ヤフオクでは5万以上で落札されていました。もちろん自分が読んだのは図書館で借りたもの(笑)。収録されているのは、「死を呼ぶ宝石」「生きていた化石」「不吉な誕生日」「悪魔のトリック」「哀れな大酒飲み」「「不運の島」の女王」「超能力者の大予言」「「乞食の石」の秘密」「極彩色のモンスター」「人形の呼ぶ声」「鏡の中の黒い顔」「一秒を買った男」「移植された“眼”」の13編。改題されていますが、「生きていた化石」他の何作かは、現在も手軽に読むことができます。が、この本には原題の記載がないので、正確にはわかりません(^^;。おいおい全部読んで確認します。
で、内容ですが、作品自体はとても面白いのですが、とにかく訳が粗いので読みにくい。刊行順が気にならなければ、やはり晶文社から刊行されている『壜の中の手記』『廃墟の歌声』から読んだ方がよさそうですね。カーシュ作品をコンプリートしたい人だけどうぞ。
『曲り角の眼』山村正夫(同光社出版 昭和34年12月)
元ヤクザでタクシー運転手兼私立探偵の仁田小四郎が活躍する短編連作集。収録作は「偽りの肌」「お礼参り」「牝犬」「邪教の精」「妄執の部屋」「秘密写真」「覗き穴」「檻の中の令嬢」「身代り結婚」「競売市の女」「殺し屋女史」「奇妙な契約」「禁男の寮」「幽霊姉妹」の14篇+おまけ短編の「屍臭」。40年以上前の山村正夫作品ということで、どうせつまらないだろうと侮っていたのですが、これが大間違い。軽めのハードボイルドを基本に本格系のトリッキーな仕掛けも施してあったりして、いやいや、すごく面白い。とにかく一番の面白かったのは「秘密写真」、これラストのオチは予想出来ませんよ。これぞ短編って感じです。ところで、この作品に「ヌード写真の顔の部分を女優の顔とすげ替える」というくだりがあるのですが、こんな昔からアイコラが存在していたんですね。エロパワー恐るべし(笑)。
『接近』古処誠二(新潮社 2003.11) bk1 amazon

戦記シリーズ第3弾。極限状態の沖縄で皇軍を信頼する少年は何を体験し、どう行動したのか。そして「戦争」というものが人間をどれほど醜いものに変え、壊してしまうものなのか。その迫真の物語にぐいぐいとひきこまれ、そして最終ページにおける衝撃の結末! いや、マジで泣ける作品です。いちおうミステリ的な仕掛けも施してありますが、そんなものはもはやどうでもいい感じ。決して現在の世の中に流行るような作品ではありません。でも、だからこそ読んでみて欲しい作品だと思います。
それにしても戦記ものを書き出してからの古処誠二はとてもいいですねえ。直木賞あたりにノミネートされる日も近いかも。
『七月は織姫と彦星の交換殺人』霧舎巧(講談社ノベルス 2003.11) bk1 amazon 楽天BOOKS

『八月は一夜限りの心霊探偵』霧舎巧(講談社ノベルス 2003.11) bk1 amazon 楽天BOOKS

「私立霧舎学園ミステリ白書」シリーズの第4弾&第5弾。うーん、マジで12冊出すつもりなんだなあ。いちおう読んでみたものの、あいかわらず、どうでもいい内容。金田一少年を目指しているそうですが、金田一少年の方がよっぽど面白いと思う。あっ、このシリーズもコミックだったら面白く読めるかも。どうせ内容よりイラスト買いしている読者の方が多そうだし。そうだ、そうすべきだ!ついでに「<あかずの扉>研究会」シリーズもコミックにしてしまえ!って、特に感想もないのでダラダラ書いていますが、とりあえず、今回も「本の作り」に手がかりやトリックが仕掛けてあるので(2冊同時刊行の理由もそれ)、そういうのが好きな方だったら楽しいかもしれません。
とか言いつつ、八月の巻頭イラスト、「ヤングマグナム」のパロディ表紙はちょっと面白いと思ってしまった。不覚(^^;。これだけは見てみる価値あり。
ところで、やっぱりプレミアム版はぜんぜん売れなかったようで、在庫が戻ってきたのか、ネット書店でも買えるようになってますね。これで1年間終了記念「プレミアムBOXセット」の可能性はなくなったな(笑)。
『私立霧舎学園ミステリ白書プレミアム版』霧舎巧(講談社ノベルス 2003.11) bk1 amazon 楽天BOOKS
『平林初之輔探偵小説選1』平林初之輔(論創ミステリ叢書 2003.10) bk1 amazon 楽天BOOKS

『新青年』作家、平林初之輔の短編集、「予審調書」ほか全14編を収録。50年以上の前の作品ということで、どうしても古さを感じてしまう。あくまで「古典」として割り切って読まないと、ちょっと期待はずれに終わるかも(^^;。ちなみに自分は「オパール色の手紙」がベストでした。
尚、収録作のうち、「人造人間」と「山吹町の殺人」は青空文庫でも読むことができます。
『虹果て村の秘密』有栖川有栖(講談社 2003.10) bk1 amazon 楽天BOOKS

えっと、今まで読んだ有栖川作品の中で一番面白かったです(笑)。ちなみに自分は「学生アリス」シリーズが合わなくて『双頭の悪魔』を途中で投げてたりするんですが(^^;。
前回刊行分の3冊が児童書モドキだったのに対して、この作品は有栖川有栖が子供時代の頃を思い出して書いたというだけあって、子供が読んだとしても面白く読めるだろう作品に仕上がっています。「ミステリーランド」シリーズには、こういった作品を期待していたんですが、ようやく登場しましたね。もちろんミステリとしても十分に面白いので、大人のミステリファンも満足できると思います。ということで、年度末ぎりぎりのベストテン入り決定!
『眠りの牢獄』浦賀和宏(講談社ノベルス 2001.5) amazon 楽天BOOKS

ノンシリーズ作品。うーむ、くやしい。浦賀作品ごときでまんまと騙されてしまった。既に半分読む気がなかったので、適当に読み飛ばしていたのが敗因か。そういえば、あの場面が不自然だと思ったんだよなあ。ちゃんと伏線張ってるじゃん。ちょっと見直したりして。ってことで、浦賀作品の中では、一番ミステリしてるし、面白いと断言しよう。こういう作品を書いてくれるなら読みつづけてもいいと思うのだが。しかし、惜しいことに一発ネタ。二度とこの手はつかえません(^^;。
『浦賀和宏殺人事件』浦賀和宏(講談社ノベルス 2002.5) amazon 楽天BOOKS

密室本企画として発売されたノンシリーズの一冊。うーむ、不快であんまり感想書く気もしないんだけど。まあなんだな、他人の悪口をネタにする暇があったら、もっと面白い作品を書くよう頑張った方がいいと思うな。あと、自分の小説が売れないのを図書館や新古書店のせいにするのも止めた方がいいと思うな。宮部みゆきクラスの作家ならともかく、浦賀和宏クラスの作家にとって全国の図書館はいいお客さんのはずだ。それに新刊書店からは消えつつあるので、そのうち新古書店じゃなきゃ買えなくなるぞ(笑)。既にbk1では買えなくなってるし。みんなに読んでもらえるように貸し出したり、流通させたりしてるんだから、ここは逆に感謝すべきだ。
佐藤友哉の『クリスマステロル』を読んだ時にも感じたのだけど、こういうネタの小説って、本当に読んでいて不快。今後、この作家の小説なんか読んでやるものか、って思えてくる。まあ、最新作を読んで、この作家は自分が読みたいミステリを書くことはないと思ったので、そろそろマジでお別れするつもり。
ところで、amazonのカスタマレビューを目にしたら、「笑える」という意見が大多数。うーむ、理解不能。
『月に吠えろ! 萩原朔太郎の名推理』鯨統一郎(トクマ・ノベルズ 2003.9) bk1 amazon 楽天BOOKS

タイトル通り萩原朔太郎が探偵として活躍する連作ミステリ。しかも、さりげなく「太陽のほえろ!」のパロディもやってたりします(笑)。『みなとみらい』と『一休さん』を足して二で割ったぐらいのふざけ具合で、謎解きの部分もそこそこ面白い。最近、はずれが続いていたけれど、これは当たり。願わくば、毎回このぐらいのレベルを維持して欲しいものです。
『新本格謎夜会 ミステリー・ナイト』綾辻行人/有栖川有栖監修(講談社ノベルス 2003.9) bk1 amazon 楽天BOOKS

新本格の誕生15周年記念として企画された船上謎解きイベント&トークショーの完全レポート。ぶははははっ!トークショーでの喜国さんが面白すぎ。さすが喜国さん、完璧なボケっぷり。喜国さんのボケてる姿が想像できて、電車の中で吹き出しそうになったぞ。堪えるの必死。うーむ、外で読むには危険な本だな。しかし、なんで関西勢は『フリテンくん』でウケないんだ。不思議だ。自分は十分ウケたんだけどなあ(^^;。
『記号を喰う魔女』浦賀和宏(講談社ノベルス 2000.5) amazon 楽天BOOKS

安藤ワールドの第5弾。今回は安藤裕子が中心で安藤直樹誕生以前の話。『時の鳥籠』でふれられていた島でのサバイバル体験の話です。鬼畜指数は高く、近親相姦にプラスして、カニバリズム、ファシズムと大盤振る舞い。前作の時点で、うんざりしていたので、もうどうにでもしろっていう感じでございます(笑)。
ところで、さすがに4冊も続けて読むと、つまらない理由がなんとなく分かってきました。
普通、作家というのは小説にリアリティを持たそうとします。または作者の世界に読者を引きずり込もうとする。異常な世界を構築しようと思えば、異常な世界が不自然に思えないような設定を施します。例えば、京極夏彦の小説がとんでもなくありえない結末なのに、凄いと納得しまうのは、結末に至るまでの過程において、登場人物のセリフやあの長い薀蓄で読者を煙に巻き、それによって、なんでもありの世界を作り上げているからです。が、浦賀和宏の小説にはそれがない。物語がはじまった途端、なんの説明も伏線もなく、読者は、いきなりポンっと浦賀ワールドに投げ込まれてしまう。リアリティの欠片もない。また読者を引きずり込むだけの文章力も薀蓄もない。だからインサイダー能力(小説にのめりこむ能力by『インサイダーケン』島本和彦)が非常に低い自分などは、ただ字面をなぞっているだけの状態になってしまうのですね。これじゃあ楽しめるわけがない。
結局、メフィスト賞というレーベル、ミステリというジャンルに囚われるあまり、現代日本、学生を登場人物にすえてしまったのが敗因ではないかと思ったり。ダークファンタジーとして、まったくの異世界という設定であれば、多少、曖昧な設定で辻褄が合わなくても許せるので、てか、そんなものだと思って読んでしまえるので、面白く読めたかもしれない。まあ、戯言だけどね(笑)。
『とらわれびと』浦賀和宏(講談社ノベルス 1999.10) amazon 楽天BOOKS

安藤ワールドの第4弾。でも今回は安藤の出番は殆どありません。前作から登場した穂波留美が探偵役。てか、ミステリじゃないし。それにしても、また近親相姦がらみの話かぁ。うーむ、これだけしつこいと作者になんかトラウマでもあるのかとか勘ぐってしまうな。まあ、いいか。元ネタエロゲーらしいし。長さの方は今回はちょうどいい。これぐらいにまとめてくれた方が読みやすい。ただ、登場人物の大仰なセリフ、理解出来ない行動はやはり健在。しかも後付け設定でどんどん世界が膨らんでいるだけど、これ収拾がつくのでしょうか。ということで、このシリーズ、読み続けるのが疲れてきました(^^;。
『頭蓋骨の中の楽園』浦賀和宏(講談社ノベルス 1999.4) amazon 楽天BOOKS

安藤直樹シリーズ、つーかシリーズというよりもはやワールドだが、その第3弾。やっぱり文章は無駄に長い。ギャグセンスも悪すぎ。例えば、探偵マルコシの小説のタイトルとか笑えない。登場人物のセリフも大仰で読めば読むほど引いてしまう。まだ若いからしょうがないとは思うのだけど、それならそれなりの小説の書き方とかテーマがあるような気が。近親相姦とかそんな話ばっかりなのはいただけない。ちょっとうんざりである。まあ、新しいことに挑戦しようというその心意気だけは認めよう。うん。しかし、浦賀和宏の小説って、エロゲーが元ネタになっているとの情報も。前作『時の鳥籠』はそのまんまらしいし。未確認だけど、なんとなく納得できるなあ。
『ららら科學の子』矢作俊彦(文藝春秋 2003.9) bk1 amazon 楽天BOOKS

殺人未遂の罪から逃れる為に中国に逃亡し、30年ぶりに日本に戻ってきた元左翼学生の物語。『文學界』に連載されていた作品。派手な事件が起きるわけでないのだけれど、行き着く先が気になって引き込まれてしまった。自分自身は、浦島太郎状態になった主人公の哀しさは共感出来なかったのだけど、70年代に学生運動に身を投じていたおじさんあたりが読むとツボにはまりそう。ある意味、おじさん達の再出発の物語といえるかも。多分、若い人が読んでもつまんないでしょう。
『安吾探偵控』野崎六助(創元クライム・クラブ 2003.9) bk1 amazon 楽天BOOKS

評論はともかく野崎六助の小説って面白くないという記憶があるので、避けていたのですが、ああ、それなのに。それなのに。坂口安吾が探偵役の歴史ミステリ、しかも密室ものってことでつい読んでしまいました。しかし、よくよく考えたら、坂口安吾のひととなりなんて、まったく知らないじゃん(笑)>自分。
ってことで、この作品の面白さがあまり理解出来ませんでした。いや、もしかすると本当に面白くなかったのかもしれない(^^;。まあ、とりあえず坂口安吾の『不連続殺人事件』を読んだことがないのなら、この本を読む前にそっちを読むことをお薦めします。その方がずっと楽しめるはず。
『私が見たと蝿は言う』エリザベス・フェラーズ(HPB217 1984.11 再版)
うーむ、この作品もサスペンスって聞いていた割には、全然盛り上がりません。所々にコメディタッチな場面が見受けられるので、本来は怪奇趣味ではなくて、コメディ色の強い作品なんではなかろうか、と思ったりもして。やっぱり翻訳が悪いとしか思えない。出来ることなら新訳で出し直して欲しいもんです。
『間にあった殺人』エリザベス・フェラーズ(HPB295 1993.9 再版)
館、密室状況の殺人、全ての登場人物に動機。と、設定はそこそこ魅力的であるのだが、なんともゆったりとした展開でストーリーが進み、盛り上がらないまま真相が明かされる。創元推理文庫で刊行されているフェラーズ作品の面白さを期待して読むとがっかりします。はっきり言ってつまらん。これを最後にエリザベス・フェラーズの作品が翻訳がストップしてしまったのも頷けますね。たぶん、翻訳が悪かったのでしょう。
『時の鳥籠』浦賀和宏(講談社ノベルス 1998.8) bk1 amazon 楽天BOOKS

前作『記憶の果て』は記憶の果てとなってます。と、とりあえずお約束フレーズを書いてみたり。
うーむ、京極を読み終わった直後に読む作品ではなかったかも。文章も稚拙だし、作品もただ無駄に長いとしか思えない。事件らしい事件もおきないし、延々読まされたあげくのオチがあれじゃあねえ。ミステリじゃないし、SFとしても陳腐すぎ。久々に時間をすげー無駄にしたと感じる作品でした。まあ、『記憶の果て』にリンクしている作品のようなので、その内容を忘れているから楽しめなかったのかもしれないけどさ。
『本格的』鳥飼否宇(原書房 2003.9) bk1 amazon 楽天BOOKS

『昆虫探偵』と同じようなテイストの「おふざけ系」連作ミステリ。『昆虫探偵』を読んだ時にも感じたのだけれど、自分は、この作者の「おふざけ具合」がどうにも合わないようだ。こういった作風が好きな人すまん。でも、ダメなものはダメなんだもん。で、ミステリ的にはどうなのかというと、これも普通。いちおう最後にある趣向が凝らしてあるのだけれど、これもまた蛇足って感じ。というか、これって自ら作品の出来の悪さをフォローしてませんか(^^;?
『鉄鼠の檻』京極夏彦(講談社ノベルス 1996.1) bk1 amazon 楽天BOOKS

約8年の積読本を読了。『魍魎』まではほぼリアルタイムで読んでたんだけどなあ。いや、月日の経つのは早いものだ(遠い目)。
ということで、『姑獲鳥』の細部なんかは殆ど覚えてなく、久遠寺さんが誰なのかもわからず読んでいたのであった。相方に聞いてやっと誰だか判明したという(苦笑)。
ところで、この本の感想ですが、今更いろいろ書いてもあれなんで一言。
すごーーく面白かったってことで。やっぱ京極は凄いや。
『シェルター』近藤史恵(祥伝社 2003.9) bk1 amazon 楽天BOOKS

カリスマ整体師合田力シリーズの第3弾。『凍える島』では本当に凍ってしまったけれどこのシリーズだけは結構好きで読んでます。変なカナ使いもないし。
ただ、今回は登場人物の「物語」に重点が置かれ、ミステリ的な要素は少なく、なんだかミステリっぽい小説ってレベルになっちゃってます。面白くないことはないのだけれど、ちょっと物足りない。
ちなみに解説では「この作品から読んでもいい」と書いてありますが、自分としてはやっぱりシリーズ順に読んでいくことをおすすめします。その方が楽しめると思う。
ところで、今更ですが、合田力の体型って「やせ」型だったんですね。なんとなく「でぶ」体型だと思ってました。ま、単なる「合田」=「ジャイアン」からの連想だし。
『明日なき者の宴』テリル・ランクフォード(扶桑社ミステリー 1999.2) bk1 amazon 楽天BOOKS

いや、おもしれえ。ジェイムズ・エルロイ、ロバート・B・パーカー、マイクル・コナリーらがこぞって絶賛しているだけのことはある。殺人の濡れ衣を着せられた主人公のファッションカメラマン、ニック・ガードナー(日本人でいうなら加納典明か、嘘、全然イメージ違う(^^;)が自ら探偵役となって活躍するクライムミステリーで、設定自体はありがちなのだが、舞台となっているLAやファッション界の人物描写がリアルでいかしてる。それもそのはず、どうやら著者はずっとハリウッドで脚本、監督をこなしていた人物らしいのだ。ほんと読み出したら止まらない、これぞノンストップ・ノベル。でも、ちょっとエロいので、お子様は大人になってからね。ちなみに第2弾の『惨殺の月夜』はB級ホラー。こっちも面白そうだ。
『四季 春』森博嗣(講談社ノベルス 2003.8) bk1 amazon 楽天BOOKS

真賀多四季の少女時代の物語ということで、『詩的私的ジャック』までしか読んでいないのに一気にすっとばして読んでみた。うむ、失敗(笑)。これは森ミステリィの二つのシリーズをすべて読んだ後に読むと120%楽しめるっていう、いわゆるファンサービスの小説ってことですな。この作品だけ読んでも、面白いというかなんというか(苦笑)。4部作ということなので、次作も読むつもりなんだけど、その為には、やっぱり未読になっているものを全部読まなきゃいかんのかなあ。それもかったるいなあ。
それにしてもノベルスで段組なし、しかも意味もなくページの下方がすかすかで、文字がある部分は文庫サイズと同じ。(ああっ、うまく説明出来ないけど、実物を見れば一目瞭然です。)こういう本の作りをみると、無性に怒りが込み上げてくるんですけど。なんかすごく不誠実な感じがして。
『月の扉』石持浅海(カッパ・ノベルス 2003.8) bk1 amazon 楽天BOOKS

ハイジャックされた機内でおきた密室殺人。この作品、こんな設定だけでわくわくしてくるのに、読み始めると更になんだか凄いラストが待っている予感がするのだ。で、どんどん進んで一気読み。いやー、面白かったっす。久々に手ごたえのあるミステリを読んだっていう感じ。いや、誉めすぎか、一部不満もあるんですけどね。最後までカタルシスが得られない部分があったりして、それがある意味ストーリーの根幹をなしている部分なんだよなあ。うーむ、評価が真っ二つに分かれそう。まあ、とにかくリーダビリティは高い作品なので、自分的にはお薦めです。今年度暫定ベストテン入り。ちなみに本当に凄いラストだったかは内緒(^^;。
『完全犯罪に猫は何匹必要か?』東川篤哉(カッパ・ノベルス 2003.8) bk1 amazon 楽天BOOKS

うーむむむ。メイントリックが金田一少年で使われていたものってのは、どう評価するべきか。まあ、3作目ということで、全体的に慣れてきたようで、そこそこ面白く読めたんだけどね。動機の方は見当つかなかったし。でも、これも猫好きなら簡単に見当つきそうだけど(^^;。ってことで本人も赤川次郎的作風ってのを意識しているようなので、あまり期待せず、そんな感じで読むのが吉でしょう。
『林真紅郎と五つの謎』乾くるみ(カッパ・ノベルス 2003.8) bk1 amazon 楽天BOOKS

日常系ミステリというか、なんとも不思議な雰囲気のミステリ短編集。まったりとしているけれど、締めるべき所はちゃんと締まっていて読み応えはある。ひねりの効いたラストも面白い。ただ、自分は林真紅郎というキャラクターがどうにも好きになれなかったんだよなあ。妻を亡くしたとはいえ、実家の財産をあてにして35歳で隠居生活って……。覇気がなさすぎる!ちゃんと仕事せんかいっ! いっそのこと定年した老人って設定にすればよかったのに。
『ヒミコの夏』鯨統一郎(PHP研究所 2003.8)bk1 amazon 楽天BOOKS

おおっ、いいっ!。とりあえず表紙が(笑)。おおた慶文のイラスト好きなんだよなあ。画集も持ってるし。
さて、中身の方といえば、こちらは『隕石誘拐』系統の謀略サスペンスといったところ。ただし、殺人事件に巻き込まれているのもかかわらず主人公達がのんびりとしているので、どうにも緊張感が漂ってこない。そのうえ、いつもは魅力的な女性キャラも冴えてないし、得意のギャグもなし。うーむ、今回も「はずれ」かなあ。
で、読み終わってから知ったのだけど、この作品、「日本農業新聞」に連載されていたそうで。ああ、だからなのかと納得。なんだか幅広く仕事しているようだけど、ファンとしては狭くても面白い作品を書いて欲しいなあ。
『THE CHAT』椙本孝思(アルファポリス 2003.8)bk1 amazon 楽天BOOKS

「不用なファイルは削除します」、チャットルームに突如として現れた「亡霊」は、リアル世界においてチャットのメンバーを次々と惨殺していく。「亡霊」の正体は誰なのか。元々はインターネットで公開されていた戦慄のホラー・ミステリー。
えーっと、昔チャットに嵌っていた頃、この小説と同じようなトリックというか設定を考えてみたことがあります。つーか、多分誰もが一度は考えてみたことがありそう。まあ、読んでいる最中はそんなことは全く忘れていたので、正直やられたという感じでしたけど。いやいや、自費出版系の小説としては、そこそこ面白かったのではないでしょうか。いい加減なオチじゃなく、きちんとミステリ的な解決もしてますし。ただ、本にする際に付け足したようですが、最後のどんでん返しは余計かも。衝撃的を通り越して笑激的になってます(^^;。
ところで、この小説の発行元のアルファポリスですが、インターネット上に作品を公開して、読者から、ある基準以上の支持を得ることが出来たら、その作品を出版してくれるようです。作家を目指している人は挑戦してみては。
『細工は流々』エリザベス・フェラーズ(創元推理文庫 1999.12)bk1 amazon 楽天BOOKS

『猿来たりなば』『自殺の殺人』に続くトビー・ダイク&ジョージの第3弾であり、実は発表順ではシリーズ第2弾。ああ、ややこしい。前の2作品に比べて驚き度が弱いような気もするけれど、魅力的なキャラクター達のおかげで一気読み。ラストで判明する、あちらこちらに張られた伏線も見事です。例えば、中盤でジョージが唐突に耳栓をするのだけれど、その理由は……。そんなの予測つくかいっ!(笑)。いや、これだけでも、読む価値あり。
『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』麻耶雄嵩(講談社ノベルス 1993.6)bk1 amazon 楽天BOOKS

約10年ぶりの再読。麻耶雄嵩作品は全部読んでいないので、再読している暇があったら、未読を潰せよという感じですが、再読したくなったのだからしょうがありません。まあ、犯人さえ覚えていなかったので、ほとんど初読と同じ。結果オーライということで(^^;。
それにしても、初読の時はアンチミステリとして結構衝撃を受けた記憶があるのですが、今回は、普通の本格ミステリという印象しか持てませんでした。例えるなら、高校時代のマドンナが10年後の同窓会であったら、単なるおばちゃんになっていたという感じ。うーむ、ちょっと違うか。
『黒いハンカチ』小沼丹(創元推理文庫 2003.7)bk1 amazon 楽天BOOKS

昭和33年に三笠書房より刊行された同短編集の復刊文庫化作品。40数年以上も前の作品でありながら、その文章も雰囲気もとてもオシャレでセンスがいい。黙っていれば誰も40数年以上も前の作品とは思わないだろう。旧カタカナ遣いも逆に新しく感じる。
ただミステリ的には日常の謎系だとしても首を捻らざるを得ない作品もある。が、推理する時に眼鏡をかける探偵役の女教師ニシ・アズマのキャラの前ではそんなことはどうでもよくなる。『女教師ニシ・アズマの華麗なる推理』とかに改題にして、高野文子のイラストでも添えておけば3倍は売れたはずだ。
それにしても、当時をもって「萌え」要素としての「眼鏡」効果を見抜いていた小沼丹ってば一体何者(笑)?
『踊り子探偵 コーネル・ウールリッチ傑作短篇集2』コーネル・ウールリッチ(白亜書房 2002.11) amazon 楽天BOOKS

すまん。先に謝っておく。傑作短編集1を読んだ時、そこそこ面白いけど、やっぱり古典だなという感想した持たなかった。でも今回、傑作短編集2に収録された作品を読んで、それは間違いだったことがわかったのだ。なんだウールリッチ、すごく面白いじゃないか。特に面白かったのは「晩餐後の物語」「妻がいなくなるとき」。もちろんウールリッチの傑作として知られた作品なのであるが、このリーダビリティの高さはなんなのだ。面白すぎて一気読みだ。
うーむむむ。こんな面白い作家を今まで読んでいなかったのが悔やまれる。
しかし、ウールリッチを読んできた人にとっては、こんな感想今更だよなあ(笑)。
『タイムスリップ明治維新』鯨統一郎(講談社ノベルス 2003.7) bk1 amazon 楽天BOOKS

『タイムスリップ森鴎外』の続編。今回は女子高生麓うららが明治維新直前の江戸時代へとタイムスリップしてしまう。果たしてうららは現代に戻ることができるのか?。ってことで、あたりはずれの大きい鯨、今回は「はずれ」でした(笑)。前作が面白かっただけにとっても残念。ある謎は謎のままに終わってしまうしなあ。それとも謎のままにしたのは、シリーズ化への伏線だったりするだろうか。まあ、全冊読破でも目指してないかぎり、読まなくてもいい作品でしょう。あと、日本史を勉強している高校生は混乱するので読んじゃダメ(笑)。
『ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹』西尾維新(講談社ノベルス 2003.7) bk1 amazon 楽天BOOKS

あー、今回の「戯言シリーズ」はいいじゃん。またも主人公の「いーちゃん」の性格が変わっているような気はするものの、こじゃれたテンポのいい会話、文章もあんまり鬱っぽくなくて洗練された感じ。実は、前作が感心できなかったので打ち止めにするつもりだったのだが、清涼院ファンとして見逃せなかった『ダブルダウン勘繰郎』を読んだところ、意外と面白かったので、読み続けることにしたわけだ。うーむ、段々よくなってる気がするな。つーか、自分が慣れてしまったという話もあるが(^^;。
とりあえず、今年度ベスト10位ぐらいにおいておこう。念の為、ミステリを期待して読んでも無駄なので誤解なきよう(笑)。あくまでラノベね。
『仔羊の巣』坂木司(創元クライム・クラブ 2003.5) bk1 amazon 楽天BOOKS

『ハードフェアリーズ』生垣真太郎(講談社ノベルス 2003.6) bk1 amazon 楽天BOOKS

『とんち探偵一休さん 謎解き道中』鯨統一郎(ノン・ノベル 2003.5) bk1 amazon 楽天BOOKS

とんち探偵一休さんシリーズの第2弾。鯨作品の中では珍しく、登場するキャラクターがまともで、比較的真面目な推理が展開される。前作では、関西弁を喋る一休さんに違和感があったのだけれど、今回は、すんなりと世界に入り込めた。慣れたってことでしょう(^^;。短編集ということもあってか、読みやすくさくさくと一気に読める。が、一つ一つの話の密度が薄いような気がして、ちょっと物足りない。うーん、出来ればこのシリーズは長編で読みたかったなあ。まあ、そうは言っても、そこそこ楽しめたんですけどね。ちなみに前作の『金閣寺に密室』は、自分的に鯨ベスト3に入る作品です。
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